トライアスロンを始めるのに有利な水泳出身者、スイマーが気をつけること

トライアスロンを始めるのに有利な水泳出身者、スイマーが気をつけること

トライアスロンを始めるにあたって、最初の関門はスイムです。バイクやランでは自分がコントロールできるスピードで走行していれば、そうそう恐怖を感じることはありませんが、スイムだけは、しっかり対策しないと、恐怖が勝ってしまいます。水泳経験者は感じないかもしれませんが、多くの人にとって1500mは未知の世界です。そういう意味で、これまで、水の中でたくさんの時間をすごしてきた競泳出身者は、トライアスロンの最初の関門はクリアしている分、有利な位置からスタートできるといえるでしょう。


そんな有利な立場からスタートできる水泳出身者、スイマーがトライアスロンを始める際に気をつけることは何でしょうか。今回の記事では、トライアスロンを始める競泳出身者が気をつけることについてお話します。


適切なトライアスロンの大会を選ぶ。


一口にトライアスロンといっても、スーパースプリント、スプリント、オリンピックディスタンス(スタンダード)、ミドルディスタンス、ロングディスタンス、アイアンマンと距離によってレースにはたくさんの種類があります。オフロードや、スイム&ランのアクアスロン、バイク&ランのデュアスロンなどもあります。


スイム

バイク

ラン

平均タイム


スーパースプリント

250~500m

6.5~13km

1.7~3.5km

45分~1時間


スプリント

750mまで

20kmまで

5kmまで

1:15~1:45


オリンピックディスタンス(スタンダード)

1500m

40km

10km

2:30~3:30


ミドルディスタンス

1900~3000m

80~90km

20~21km


ハーフアイアンマン

1900m

90km

21.1km

5:00~6:30


ロングディスタンス

1000~4000m

100~200km

10~42.2km


アイアンマン

3800m

180km

42.2km

10:00~14:00

距離参考:ITU Competition Rules


ミドルディスタンス、ロングディスタンスの距離については幅があります。これはITU(国際トライアスロン連合)の規定により10%(スタンダードまで)~5%(ミドル以上)の幅が認められているためです。


ハーフアイアンマンはミドルディスタンスの一部、アイアンマンはロングディスタンスの一部にくくられますが、運営母体が異なることや、アイアンマンが過酷で有名なこともあり、アイアンマンは区別されて呼ばれることがあります。


水泳出身者に気をつけてほしいのは、スプリントディスタンスであっても、単純な競技時間

を比べると、3倍から4倍程度の長さになることです。ですので、最初は短い距離から始めて、気持ちよくゴールできる大会を選ぶのがおすすめです。


大会出場が楽しく、心地よい経験になるので、小さくて、ローカルなレースがおすすめです。遠距離の移動や、宿泊を伴う大会もトライアスロンの楽しみの一つですが、まずは負担が少なく、続けやすい大会を選びたいものです。できれば、ご友人などが応援しやすい近距離の大会がいいですね。



トライアスロンの道具を揃える


競泳の場合、人によってはレースの度に水着の費用がかかると思いますが、トライアスロンの場合は3種目あり、特にバイクは最初に一番お金がかかります。

さあやるぞ!と勢いでバイクショップに駆け込み、お気に入りの一台を購入するのもいいですが、本当に好きになれそうか、新しいバイクを購入する前に確認するのもおすすめです。

最初の大会は、大会規定が許すなら、マウンテンバイクや一般車(ママチャリ)、クロスバイクや、友人から借りたロードバイクで始めても悪くありません。特に、下調べをせずに、勢いで購入すると、お店の在庫処分に貢献しただけだったということになってしまうこともあります。

トライアスロンにおすすめのバイクはこちら(リンク)

バイクは安全第一


ただし、古いバイクを大会で使用するならショップに持っていって、点検してもらいましょう。その際には、バイクショップの下調べも忘れずに。概ねチェーン店などはどんなバイクも見てくれますが、購入者以外は歓迎されないショップもあるためです。「店名+評判」などで調べたり、Google Mapsの口コミを見てみるのもいいですね。


バイクショップの中には、自分のお店で購入したバイク以外は見てもらえない場合もあります。というのは、バイクは命を預かるものなので、万が一の場合責任問題にも発展することもあり、別のショップでカスタムされたことが原因で事故が起きた場合の責任を引き受けることを嫌がる向きがあります。「買わないと見てもらえないケチな店」と感じるかもしれませんが、自分の店で買ってくれたお客様のバイクについては、責任を持ってみるという姿勢は、ある意味誠実だとも言えます。


ヘルメットは新品を

ヘルメットは新しいものを用意しましょう。ヘルメットは実際にぶつける等をしなければ、見た目で劣化がわかりにくいため、ともすれば何年も同じものを使ってしまいがちですが、経年劣化は確実に進んでいます。ヘルメットは発泡スチロールのようなものが入っており、それらが潰れることで衝撃を吸収します。経年劣化により、エアが抜けて、衝撃を吸収しなくなっていきます。


一節によるとヘルメットの寿命は3年と言われています。3年経たずとも、落車でぶつけたら、見た目に変化がなくても、交換するのがおすすめです。


ランはシューズ選びが肝心


どんな靴で走っても一緒でしょ?と思うかもしれませんが、シューズ選びは非常に重要です。特に、スポーツが得意な方ほど、トップ選手のようなシューズを選んでしまいがちですが、できればフィッティングを受けてご自身の足にあうシューズを選びたいものです。


厚底シューズ全盛の時代にあり、ひょっとしたら敢えて薄底シューズを選びたくなったりするかもしれませんが、最初はクッション性の高いシューズをおすすめします。必ず試し履きをして購入してください。


スイマーは特に上半身が大きく、体重も重めからスタートすることが多いこともあり、また、足首が柔らかいこともあって、気をつけないと足首を痛める可能性が高いです。


バイクやランの練習を通して、体重が落ち、徐々に足、ふくらはぎ、太もも、お尻等の筋肉がランニングに最適化してから、よりスピードの出るシューズに変えていくのがおすすめです。


間違っても筆者のように、「足裏の訓練が足りない。まずは足袋シューズで鍛えよう」などと考えてはいけません。確実にお医者さんのお世話になります。


おすすめランシューズはこちら(リンク)


トライアスロンを始めるのにあると便利なもの


ワセリン等の潤滑剤

スイマーは皮膚が柔らかいことも多いため、皮膚がなれるまでは、シューズが当たる部分や脇、股、乳首など擦れやすい部分にワセリン等を塗っておくといいでしょう。徐々に皮膚が慣れてきたら、減らしていけば大丈夫です。


ナンバーベルト

レース会場でも販売していることが多いですが、一つ持っておくと安心です。安全ピンは危ないので、規定がない限り、避けるのがおすすめです。


伸縮するシューレース

特に短い距離のトライアスロンなら、スイムからバイク、バイクからランのトランジションをいかに素早く行うかで順位が入れ替わります。トランジションは第4種目とも言われています。バイクからランへのトランジションでスムーズにシューズを変えられる、ゴム製のシューレースがおすすめです。


バイクショーツ

いきなりピチピチのバイクショーツを履くのには抵抗があるかもしれませんが、これがあるのとないのとでは、おしりの痛みが全然違います。特に最初は皮膚が慣れていないため、数十キロも走ればお尻が痛くなり、バイクに乗るのがイヤになってしまいます。服の下に履くタイプなどもありますので、ご予算に合わせて購入してみてください。厚めのパッドが入っているものがおすすめです。


コーチをつける

最初は見よう見まねで試行錯誤しながら、なんとか大会出場にこぎつけるというのも楽しいものです。ですが、あなたが何十時間何百時間とプールで過ごしてきたとき、プールサイドには、あなたのことを真剣に見てくれているコーチがいたはずです。全くの独学で、スイマーとしてのあなたの肉体を築き上げたわけではないと思います。それと同じように、トライアスロンのコーチをつけるのも非常に有益です。


より強く、より速く、より楽にゴールできるためにも、また、変なクセがついてしまって、その修正で遠回りすることを避けるためにも、もちろん、バイクやランでの故障を避けるためにも、ぜひコーチを探してみてください。


地域のトライアスロンチームにコンタクトをとってみて、練習を見学させてもらうといいでしょう。トライアスリートは気持ちのいい人が多いですので、ぜひ顔を出してみてください。


地域によっては、トライアスロンチームが見つからない場合もあるかもしれません。アーストライアスロンでは気軽に各種目のアドバイスを受ける事が出来ます!

是非ご体験にお越しください。


スイマーがトライアスロンを始める際に起こりがちなこと

皮膚のトラブル

スイマーは皮膚が柔らかいことが多いため、最初は皮膚のトラブルに悩まされることがあります。足にあったソックスやランニングシューズを履くことで、まめが出来るのを可能な限り予防していきましょう。皮膚が強くなり、タコになるころには、皮膚のトラブルとは無縁になっているはずです。


内もも、脇、男性の乳首など、擦れやすい部分にワセリンをぬる、テーピングをするなどして、保護していきましょう。ワセリンはウエットスーツを着る際に首周りや脇などにも塗りますので、一つ持っておくと安心です。ドラッグストアで手に入ります。迷ったら白色ワセリンを購入しましょう。


脚のトラブル

前述の通り足首や、シンスプリント、膝、アキレス腱なども、上半身が大きく発達したスイマーが特にランニングの衝撃で痛めやすい部分です。ストレッチやマッサージを定期的に行い、ランニングやバイクの練習後は積極的にほぐしていきましょう。また、初期はどんどん速くなるのが楽しくて、ついついたくさん練習をしてしまいますが、急激に練習量を増やすのはおすすめしません。


走行距離などは一週間で多くても10%を超えないようにすることが大切です。例えば1週間で30kmランニングしたなら、翌週は増やすにしても33kmまでにしましょう。休息と回復を必要なときに必要なだけとることが一番重要です。


バイクのトラブル

バイクでのトラブルはサドル周りで起きることがほとんどです。股関節周辺のしびれ、こすれによるヒリヒリした痛み、不快感、腰の痛みなどはバイクのフィッティングを受けたり、サドルを交換したり、厚めのパッドが入っているサイクリングショーツを履くことで軽減できます。特に最初はデリケートな部分にワセリンを塗るのもおすすめです。


また、ハンドル周りでは、体重がハンドルにかかって手がしびれたり、肩に負担がかかったりすることもあります。パッドが厚めのグローブにしたり、バーテープを厚めのものにしたり、ハンドルの高さを変えることで調整していきましょう。下ハン、上ハン、ブラケット、DHバーなど、乗車中に置く手の位置を適宜変えるのもおすすめです。


バイクスキル

また、どんなにうまいトライアスリートも、プロであっても落車をするときはします。バイクライドに落車はつきものですが、自分のスキルの範囲で乗ることを意識したり、ハンドリングスキルを上げることで、落車の可能性を下げることができます。ライディングスキル向上のレッスンがあれば、積極的に参加してみましょう。


スピードを上げることよりも安全が第一です。どれだけ速くなっても、安全にゴールできなければ、記録にはなりません。コーナーをスムーズに曲がり、陥没や段差、石、枝などの障害物を避けられるようになり、安全に止まることができてからスピードを意識しましょう。


トライアスリートは3種目の練習があり、バイク単体に割ける時間が少ないため、ともすればインドアローラーがバイクトレーニングの中心になったりしますが、大会を安全に楽しむためにも、ロングライドを快適に楽しむためにも、バイクのスキルを意識してみてください。


ご自身で試行錯誤をするよりも、バイクの専門家に習った方が早いですので、ぜひ一度バイクスキルの講習会に参加してみてください。一時間専門家に習うことで、ご自身での試行錯誤、不要な落車、無駄な怪我から解放されます。


アーストライアスロンでも屋外バイクレッスンを準備中です。


トライアスロンに向けてのトレーニング

スイマーとトライアスリートのトレーニングの違いの一つに、トレーニング強度があります。水泳のトレーニングメニューでは、一回の練習でハードなメニューが2セットや3セットあるトレーニングに慣れているかもしれませんが、トライアスロンの練習メニューの8割は低強度です。高強度メニューは2割に過ぎません。また、前述の通り1週間で増やすランニングの距離は10%にとどめておきましょう。急激な練習増加は怪我の元です。

低強度8割やランニングの習慣増加距離は10%に留めるなどの原則は、徐々にスイマーの体をトライアスリートへと変貌させ、怪我のリスクを下げるために覚えておいて損はありません。


毎週継続できる無理のないトレーニングメニュー例

継続できて、毎週繰り返すことのできるトレーニングメニューを組んでみましょう。スイマーの方は、泳ぐ量を減らしたくないかもしれませんが、バイクやランのトレーニングをし、回復することまで考えると、スイムのボリュームは調整せざるを得ません。トレーニングの負荷を把握し、トレーニングの時間や距離を測定していきましょう。ガーミン等スマートウォッチをお持ちの方はトレーニングの際には計測を忘れずに。お持ちでない方も、距離や時間だけでも記録していきましょう。


メニュー例

月曜日 休息日

火曜日 バイク 45分~60分 途中5分の頑張りを5回程度 

水曜日 スイム&ストレッチ バイクの疲労を抜きます

木曜日 ラン 30分~45分 ジョグメインで途中速いペース1分を5回程度挟む

金曜日 スイム&ストレッチ ランの疲労を抜きます

土曜日 バイク90分&ラン15分をバイク後に行います

日曜日 ラン30分&スイム&ストレッチ


バイク→スイム ラン→スイムと陸上での種目で疲労したら、スイム&ストレッチでほぐすことを頭にいれておくと、怪我の可能性を下げることができます。

特に体重が重めの方は、バイクを多めにして体重を減らしてからランに移行するのもおすすめです。

また週に1日は完全休養の日を入れましょう。

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